モチモチの干し肉とスモーキーなワイン合わせてみた(モチェッタ ×フミンヴァッレダオスタ州)

ペアリング

※この記事にはアフィリエイト広告(商品購入リンク)が含まれています。

どうも、イタリア人になりたいコジオです。

目元を黒い帯で隠したキャラクターが「イタリア人になりたい!」と話すイラスト

生ハムが好き。

成城石井に行けば、ハモン・セラーノ、ジャンボン・セック……いろんな生ハムが並んでいる。名前だけでちょっと強そうだ。

せっかくなので、じっくり見比べる。産地、熟成期間、お値段。

そして、よく分からないのでハモン・セラーノを買う。いつものやつだ。冒険する気持ちは、売り場に置いてきた。

生ハムの知識はない。でも、あの熟成香はたまらない。ひと口噛んで、じわっと広がる旨味をワインで追いかける。うまい。もう一枚。

産地や熟成期間はよく分からないが、皿が空になるのは早い。

成城石井のハモンセラーノレゼルヴァ14ヶ月熟成・薄切りのパッケージ
成城石井のハモンセラーノレゼルヴァ14ヶ月熟成 薄切り(成城石井公式商品ページ)

本で見つけた、知らない干し肉

数か月前、いつものように愛読書、内藤和雄さんの『イタリアワインの愛し方』を読んでいた。「次は何を作って、何を飲もうかな」とページをめくっていると、気になる組み合わせが出てきた。

ヴァッレ・ダオスタ州の赤ワイン、フミン。そして、それに合わせるモチェッタ。

モチェッタ? 初めて聞いた。

調べてみると、牛や山羊、羊、鹿などの赤身肉を塩やハーブで味つけし、乾燥・熟成させた、この土地の保存食らしい。要するに、僕の好きな生ハムの親戚みたいなものだ。これは食べてみたい。

ところが、近所では売っていない。

「普段パンチェッタも作ってるし、自分で作れるのでは?」

そんな絶望的なまでに楽観的な考えが浮かんでしまった。生ハム売り場で新しい銘柄を買う勇気はないのに、干し肉は一から作ろうとする。自分でもよく分からない。

モチェッタを作る

モチェッタは、完成後に焼いて食べる料理ではない。特に野生の鹿肉を加熱せずに食べることには、E型肝炎や食中毒のリスクがある。

そこで今回は、市販の牛モモ肉を選んだ。ただ、牛肉なら自家製の非加熱干し肉が安全になる、という意味ではない。ここは「みんなも気軽に作ってね!」とは言えない部分だ。

作っている間のあれこれは、別記事のモチェッタ作りの記録にまとめる予定だ。今回は一か月待って完成した肉と、フミンを合わせた話をしたい。

[リンク挿入予定:モチェッタ製作記事]

現地のものと同じ仕上がりかは分からない。でも、薄く切った断面を見たときは、なかなかうれしかった。

さて、フミンを買おう

肉ができても、ワインがなければペアリングは始まらない。

フミンを探してみたものの、日本語のレビューがなかなか見つからず、どれが美味しいのかわからない。こういうときはVivinoを開く。知らないワインを買うときの、僕の頼れる相談相手だ。

黄色いヘルメットをかぶり、目元を黒帯で隠した猫が指差して「ヨシ!」と言うイラスト

候補の中から選んだのは、レ・クレーテのフミン。購入時に見たVivinoの評価は3.8。僕は4.0を超えると「これは感動した」と感じることが多いので、数字だけなら即決というほどではない。

レ・クレーテのフミンのボトル

しかも、見つけたボトルは約7,000円。

「ふぁっ!?」

声が出た。出たけど、買った。右手が勝手に動いた。

一か月かけて肉を作ったのだ。ここでフミンを開けなかったら、何のために始めたのか分からない。

まずはモチェッタだけで

薄く切ると、断面は黒紫から暗い赤へのグラデーション。外側はしっかり干し肉なのに、中心はもちっとしている。(濡れているように見えるのはオリーブオイル)

薄く切った自家製モチェッタを盛りつけた白い皿

噛むほどに熟成した肉の旨味が出てきて、仕込みに使ったワインやハーブ、胡椒の香りも感じる。赤身肉らしい酸味もある。

うん、おいしい。

毎日様子を見ながら一か月待ったので、この時点ですでにちょっと感慨深い。だが、今日はここで終わらない。主役がもう一本いる。

フミンと合わせてみる

フミンを飲んだ第一印象は、ブルーベリーガム。

紫色の果実に、青いハーブ、黒胡椒。飲み進めると、途中から煙のようなくぐもった香りが顔を出す。酸は鋭く一直線に伸びる感じではなく、舌の真ん中で「キュン」と跳ねる。チャーミングなニュアンス。

では、モチェッタをひと口。そのあとにフミン。

自家製モチェッタとレ・クレーテのフミン、赤ワインを注いだグラス

……あ、煙だ。

肉にもワインにも、スモーキーな風味がある。ハーブと胡椒もそれぞれにいて、肉の酸味とワインの酸もつながる。共通点を探そうと身構えなくても、口の中で次々に見つかる感じがした。

同じ土地の料理とワインだから合う、という話はよく聞く。でも今回は「具体的にどこが?」に、自分の舌で答えられた気がする。

なかでも忘れられないのは、二つを合わせたときに煙のような風味がふわっと広がったこと。あれを確かめるために一か月待ったのなら、待ってよかった。

また作る?

フミンはかなり個性的なワインだった。誰にでも「これ好きでしょ?」と勧めるタイプではないかもしれない。でも、あの果実とハーブと煙の組み合わせは、簡単には忘れられそうにない。

愛著で見つけたフミンとモチェッタ。実際に作って、探して、合わせてみたら、ちゃんと自分の体験になった。

次は何をアッビナメントさせようか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました